「筋肉痛のはなし」

激しい運動や久しぶりに運動を行った翌日に、身体を動かすことが辛いほどの筋肉痛を経験した方は多いと思います。これは、「DOMS」(Delayed Onset Muscle Soreness遅発性筋肉痛)と呼ばれており、多くの場合は筋肉を伸ばしながら力を発揮する動きが要因となって起こります。

DOMSの主原因は、筋肉が縮む方向とは逆の方向に伸ばしながら力を発揮(伸張性収縮)することで起こります。一方で、筋肉を収縮させながら力を発揮(短縮性収縮)する運動では、DOMSはほとんど生じないことが知られています。例えば、『腕立て伏せ』を上腕三頭筋の視点からみると、肘を伸ばしていく動きが「短縮性収縮」、曲げていく動きが「伸張性収縮」となります。この場合では、自体重に抵抗しながら肘を曲げる動きが上腕三頭筋の筋肉痛の主な要因になります。他の例をあげると、坂道や階段を下りる動きは大腿四頭筋(太もも前部)や下腿三頭筋(ふくらはぎ)で伸張性収縮が起こり、その部位に筋肉痛になりやすくなります。DOMSの発生原因については未だに明らかになっていない事が多く、統一された学説となるには至っていません。一般的には、伸張性収縮により筋繊維が小さな損傷を起こして、それが痛みの原因になると説明されています。

通常、DOMSの痛みは、時間が経過するにつれて自然に解消していきます。痛みを和らげる方法としては、アイシングが効果的でしょう。また、痛みのピークが過ぎてからは、入浴して筋肉を温めることや、軽度の運動やストレッチングなどで血行を良くすることも効果があるといわれています。いずれにしろ、DOMSは発生から数日で消失します。痛みが1週間以上続くような場合や腫れがある場合は、DOMS以外の原因が考えられますので、整形外科などでの受診をお勧めします。