「トレーニングの歴史」

トレーニングの歴史を遡ると、紀元前約2500年のエジプトで、筋力トレーニングが既に行われていたという記録が残っています。また、ヨーロッパやアジアでも、紀元前から筋力を高める活動が行われていたことが知られています。当時は特別なトレーニング用具があったわけではなく、重い石を繰り返し持ち上げるなど日常にある物を利用して筋力を鍛えました。3世紀頃のローマ帝国では、今でいうところのケトルベルのような「おもり」を使ってトレーニングをしていたようです。これが、ダンベルの原型です。我が国においては、古くから武士が剣術などの鍛錬として身体を鍛えていたものの、庶民の間では一般的ではありませんでした。

世界的に見ても身体を鍛えることが一般人に広がったのは近代に入ってからです。19世紀初頭のドイツで、現在でも見られるようなトレーニング用具が開発され、ヨーロッパ各地に広まりました。因みに明治時代の日本では、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」でも紹介されたとおり、柔道の創始者の加納治五郎氏が校長を務める東京高等師範学校(現筑波大学)において、ドイツやスウェーデンの体育教育を取り入れて、トレーニングの普及に貢献しました。この時代には、スポーツが競技化され始めた時期と重なり、筋力トレーニングが競技力向上に重要であると認識されるようになったのです。20世紀に入ると、体力や筋力トレーニングについての研究が多く行われるようになり、現在へと続いています。

1950年代には今でも行われている様々なトレーニング法が行われるようになりました。1960年代には、各種トレーニングマシーンや筋力測定法が開発されたことに加えて、休養の重要性が注目されるようになります。我が国では1964年に東京オリンピックが開催されたことがきっかけとなり、一般市民に向けた運動施設が数多く建設され、女性や高齢者にトレーニングが広く日本に普及しました。

1980年代以降は、ジャズダンスやエアロビックダンスなどが全盛となり、そのファッション性も含めて、特に女性の間でダンスエクササイズが浸透します。1990年代はプールやスタジオなどを備えた総合的フィットネスクラブが隆盛となり、各地で建設されました。2000年以降は、テレビショッピングなどの通販で、多くのフィットネス関連商品が販売されるようになり、現在に至ります。腹筋を鍛えるマシーンや低周波を利用して筋肉を鍛える器具などをご存知の方も多いでしょう。

最近では、従来のウェイトトレーニングに加えて、通信やコンピューター制御によるトレーニング機器、ファンクショナルトレーニングやHIITなど多種多様なエクササイズの選択肢が増えています。今後は、人工知能AIやバーチャルリアリティーVRなどを利用した、トレーニング機器が一層増えていくのでしょう。